大人が愉しむ自然学校

大人が愉しむ自然学校

都内の人気観光スポットでもある皇居東御苑。
21万㎡という広い園内を散策しながら初夏の植物観察を行いました。

江戸城の正門であった大手門から入城し、三の丸尚蔵館からスタートです。

まずはクロマツのお出迎えです。江戸時代、徳川家康が大名屋敷を建設する際に埋めたてられましたが、
かつてこの辺りが海であった名残としての植物です。

百人番所向かいの立派な石垣。
今回のフィールドでは植物のみならず地形や史跡についても触れています。

常緑樹のクスノキ・タブノキ・シロダモ3種の見分け方について。
クスノキのダニ室はどこでしょうか?
というインストラクターの問いに皆さんじっくり取り組まれています。

ホタルブクロが咲き始めていました。梅雨が明けるころに花期を終えるため、
「雨降花(あめふりばな)」とも呼ばれます。

木曜クラスでは蕾だったタイサンボクの花を観察できました!
モクレン科特有の花の香りをメンバーでゆっくり堪能。
この芳香は天然香料(マグノリア)として使用されています。
北米原産。自生地のミシシッピ州とルイジアナ州では州の花に指定されています。

石垣を横目に見ながら汐見坂を下ります。
イタヤカエデ・オオモミジ・イロハモミジの見分け方や、ユズリハやモッコクの観察をしました。

二の丸雑木林の中へ分け入ります。
ここが都心とは思えない風景が広がっています。

雑木林でナラ枯れを発症しているコナラを観察。まん延の背景や原因を学びました。

この時季に最盛期を迎える二の丸庭園・菖蒲園。
東御苑が造園される際に明治神宮から株分けされたもので、
回遊式庭園の池の周りを歩きながらじっくり眺めることができます。

最後にタケを観察し、二の丸休憩所で解散しました。

皇居東御苑は都会のど真ん中に位置しているにも関わらず、
四季折々の自然を味わうことができるフィールドです。
次回は明治神宮での観察会。梅雨時ですが良い天気になることを願っています。
                                                                                               (撮影・文/寺本望)


寺本望さん(青ベスト後ろ姿)は東京環境工科専門学校に在籍中。
4月からはやまぼうしインタープリター養成講座と森林インストラクターweb講座を受講。
インターンとして首都圏業務に出動しています。
                            (石川順子/記)